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2006年2月22日 (水)

電気用品安全法!(3)

ここ数日で、事態はめまぐるしく変化したように思います。

まず楽器/音楽関連ですが、ご存じの方も多いでしょう。坂本龍一氏らが、音楽と芸術を守り育てよう、という観点から、電気用品安全法による規制の緩和を求める署名運動を開始 されています。ぜひ、ご協力をお願いいたします。
(しかし本来は規制緩和の一環であった電気用品安全法が、新たに巨大な規制を生み出してしまうというのはおかしな話です。)

また、いち早く中古販売事業からの撤退を発表した石橋楽器では、新たに検査部門を設け、自社検査によるPSEマーク発行を目指すことを発表しました。歓迎すべき流れだと思います。大手の一角である石橋楽器のこの発表は心強いです。

これまでに自主検査による中古取り扱い継続を表明している楽器店は、FiveG(買い取り上限価格が20,000円以上の品物については買い取り継続)、宮地楽器(コスト発生により従来より買い取り査定額を引き下げる見通し)、そして石橋楽器がこれに加わりました。

また、自分のチェック不足かも知れませんが、これまで静観していたロックオンカンパニーでは、「PSEマークのない国産製品の買い取り」を終了しました。非国産の製品については明記されていません。電気用品安全法により規制を受けるのは「100Vで動作する製品」ですが、輸入楽器も日本国内仕様であれば規制対象に加わってしまう、というのが自然な解釈と思えます。このあたりどうなっているのか、僕はまだ確認ができていません。

次に、電気用品安全法の規制により、単に売買が困難になる以上の危機が浮上してきました。それが、企業の資産価値が減少することです。
電気用品安全法に規定されている品目は非常に多岐にわたり、業務用途に用いられる電気調理器/大型冷蔵庫や電気式冷暖房などの設備、旋盤や脱穀機、印刷機などの産業機械、一般的なオフィスの大型テレビやコピー機のような電気製品など、該当するものがかなり多いのです。

これらは非常に高価なものもありますが、電気用品安全法は一律に2000年以前の製品を規制してしまいます。このため、企業が持つ固定資産も売買不能=価値0円となる可能性があるのです。
悪影響としては、まず単純に経理上の問題として、多額の特損計上が発生する可能性があります。特に大企業、グループ企業では、全体での特損額ははかり知れません。
また、中小企業、町工場や農家などでは機械を担保にした融資を受けているケースも想定されますが、担保が担保としての価値を失うことにより、融資の打ち切りといった可能性が出てきます。
すると、最悪の場合は中古商品取り扱い以外の事業者にも、倒産の危機が迫ることが考えられるわけです。また、融資を行っていた金融機関にとっては、もちろん不良債権が発生することになります。

上向きつつあるという日本の景気が(自分みたいな庶民にはまだ実感できていないとしても!)、一気に転落してしまう可能性さえ否定はできないのです。

この問題については、まだしっかりと触れた報道は為されていません。経済産業省の認識もまた不明なままです。
当然、ある程度新しいもの、額の大きいものなどは、メーカーの努力でPSEマークを新たに貼り付けることもできるかも知れません。しかし、そうであるとしても、全体でどれだけの量に対してPSEマークの貼り付けが求められるのか、どれだけのメーカーがそれを行うのか、すでに存在しないメーカーの製品などはどうなるのか、といった部分はやはり未知数。

全くの取り越し苦労であれば良いのですが、単純に考えるとPSEマークの無い製品が価値を失わないで済む道が見あたりません。
経済産業省の頑なさが、さらに不安に拍車をかけます。
施行前の製品/猶予期間中に生産された製品は対象外である、とするだけで全ては解決するというのに!

次に、もう一つの大きな動きとして、経済産業省の谷みどり氏が立ち上げたブログについて。
僕もいくつかのコメントを書き込んでいたのですが、結果的にはわずか数日で(2ch等に存在が知られてからは3日ほどで)閉鎖となりました。
特に、電気用品安全法については約二日間で1100を超えるコメントがつくという異常事態でしたが、それらを受けてどうするのか、といったコメントは得られないままの閉鎖です。
これでは「経済産業省は国民の声を聞かない、それどころか黙殺しようとしている」と考えられても無理は無いでしょう。
例え荒い言葉だったとしても、酷い言葉だったとしても、その真意を考え汲み取ることが行政という立場の人間には必要不可欠の心構えであるはずです。
谷氏個人を攻撃したからといってどうなるものでもないのですが、非常に残念に思います。

一方で、ついにマスコミでも本格的に取り上げられるようになりつつあり、記者会見などで二階経済産業相へ電気用品安全法についての質問が行われるなど、規制の存在や問題点の多さは次第に知れ渡ってきたと言えるでしょう。

まだまだ余談を許さない状況ですが、なんとか社会への悪影響を無くすよう動いて欲しいものです。このままでは不安が大きすぎます。

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コメント

役人はこんなことすぐ始めてしまいますね。
規制緩和といいながら、既成をしたがる。
その法律の運営のために、なんとか法人ができて税金を浪費したり、そこにお金を払わないと仕事ができないようになる。
そして、その法人に役所のOBが天下りをする。
PSE協会などというものが出来たりするかもしれません。
改革が進まないわけです。

投稿: AckyLacky | 2006年2月22日 (水) 11時49分

実際のところ、PSEマークを発行する認定機関(JETなど)は天下り先なんでしょうけれど(^^;

中古については「特定電気用品」以外は自主検査で良いので、これらの機関が得る利益はたかが知れてますが・・・
自主検査をして「製造者としての責任を持つ」ことのリスクが大きすぎて、やはり現実的に運用できるとは言い難いですね。

投稿: がっでむ | 2006年2月23日 (木) 00時03分

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