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2006年3月26日 (日)

PSE問題は何も解決されていない!!

もうすっかり知れ渡っていると思いますが

これは東京新聞の記事 経済産業省が、中古品について、4月1日以降も「検査機関・機器の準備が整うまでの数ヶ月間」「事後の検査を義務づけることで」実質的に販売を容認する方針に転じました。
当面はレンタルとして扱い、事後検査を終えた時点で無償譲渡させる。検査を行ったかどうか、経済産業省は確認しない。

果たしてこれで、PSEマークを巡る問題は解決したのでしょうか?
というと、もちろん「そんなことはない」のです。ただしこれから数ヶ月の間、とりあえずリサイクルショップ等の方はなんとか営業を続けられる、と言う意味では一定の効果があると言えるでしょう。

では、解決されていない部分を自分なりに整理し、挙げてみようと思います。

(1)そもそも規制は撤回されておらず、単に数ヶ月の猶予を得ただけである。
つまり・・・・・・

・数ヶ月の間に検査機関・機器の準備が整えられ、その時点で経済産業省がどのような対応を打ち出すかによっては、再び危機的状況に陥ることも考えられる。未だ、経済産業省のメンツのために事業者と消費者がリスクとデメリットを一方的におわされることに変わりはない。

・その「数ヶ月間の準備」にかかる費用は税金から支出される。(500の検査機関、出張検査、無料検査の費用も然り、です。)

・最終的には販売店を製造事業者として扱うという方針は堅持されており、それに関わる商標権の問題などは解決されていない。(川内議員の質問趣意書に対し、「(製造事業者として登録された)販売店が同一性を損なう製造行為を行った場合は、商標権の侵害と考えられる」という趣旨の回答が行われています。)

・当面の間、店舗から消費者へ「レンタルされた」という事になり、所有権の移動が起こらない。店舗にとっては棚卸しなどへの影響が避けられず混乱する可能性がある。

(2)あくまで中古販売に関する譲歩/猶予であり、他の諸問題についての前進はない。
つまり・・・

・資産価値と税法上の問題は残り、追加担保の要求による倒産/不良債権発生の危険性もはらんでいる。

・事業者間の取引の問題(下取りなど。業者による不法投棄の可能性は残るのです)はそのまま。

安全性に対する効力が実質的に「無い」ことが忘れられている。

・国内で「安全でない」と認定されてしまうにも関わらず、輸出は無条件に認めている

(3)行政の裁量権の問題。
つまり・・・

・法解釈を行い運用する権利も、恣意的な拡大解釈は許されるべきではない。PSEマークの混乱は悪しき前例となってしまうおそれが強い。

・細部を煮詰められず「~は政令で定める」「政令で定めた~は・・・のように規制する」といった立法を行うことは、後に禍根を残す(今回まさにそれ!)。

というわけで、今は延長戦に入ったところで、これからが本番。

ひとまず、電気用品安全法は次のような内容を明文化する方向で改正されることが必要でしょう。

1:「猶予期間満了までに生産された製品」は対象から除外され、猶予期間の終了後も取引可能とすること。

2:取締対象は流通前の段階、メーカー/製造工場/輸入代理店までであり、販売店は製品の設計上/構造上の問題について責を負わないこと。

また、安全基準適合確認を民間に開放することに危険性が伴うことは当時から指摘されており、困ったことに耐震強度偽装問題という実例まで存在します。
さらに、2001年の電気用品安全法施行以降、電気用品に絡む事故はむしろ増加しているという事実があります。

よって、

a:安全基準そのものの見直し

b:検査態勢の見直し

は必要だと思います。
経済産業省も、ソニータイマーみたいなアホな改正案を検討するよりも先にやるべき事をやって欲しいですね。
もちろん議員立法にも期待しています。

ところで、今回顕在化した問題の一つに、中古販売業が負うべき責任範囲があります。

経済産業省は中古販売業者を想定していない法にこれを取り込むためにアクロバティックにすぎる解釈を行わざるを得ず、混乱ばかりが広まってしまいました。

ちょっと反感を買うかも知れませんが、「中古販売を行う業者は、全てを『顧客の自己責任』で片づけてしまっても良いのか?」という事は、議論されるべき価値があるのではないでしょうか。法として整備することの必要性はともかく、無条件の無責任、という状況がもしもあるのなら、積極的・自発的に見直していくことが必要だと思います。

そのために返品・交換、といった当たり前の対応があるわけですけど、単に「動かない」「使えない」を承知でなかった場合、ではなくて事故が起こる可能性を考えて、の事です。
これは「あの」谷みどり氏の言っていた事にも一理あって、僕たちが自己責任で中古ものを買うというのは、「動くかどうかは分からない」といったレベルを承知しているのであって、「死んでもいいです」とか、そういったレベルで承知している訳ではないはずだからです。

実例があるのかどうか分かりませんが、例えば中古で買ったストーブから出火して賠償問題に、という場合は、販売を行った業者は全く責任を負わないのでしょうか。
もちろん、使用方法/環境に問題は無かった、と仮定して。

ここで素直にPL法が適用され、メーカーが責任を負うのなら良いのですが、現在の経済産業省解釈および「役所が拡大解釈しほうだい」の状況ではどうなるのかわからないのです。
例えばこの例のような場合には「(本来の)製造事業者が責を負う」という事が明確になっているべきでしょう。

(わかりにくい上に書いててもわからなくなりつつあるんですが、法改正されず・経済産業省解釈がこのまま数ヶ月後に実際に運用されたら、という前提での例えです。つまり販売を行ったお店は「電気用品安全法上の製造事業者」という扱いだったとしたら・・・という話。)

とはいえ、電気用品安全法が適切に運用されるのなら、いずれ古い製品は多くが姿を消して行くでしょう。もちろんそのときはしっかり原材料まで分解し、健全なリサイクルが行われるのが理想です。

経過措置とは本来そういうもので、短い期間を切って移行を急がせる、という性質のものは経過措置とは言えないと思います。

なんかよくわからない内容になりましたが(整理できてねえ)、眠いのでこれで終わり(汗

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「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

記事
自分の書く物より遥かにまとまっていてわかりやすい。ので
うらやましいです

安全性を考えて。なら、
「リユース品の販売には 付属品がそろった状態(機能として完動の状態)で
安全性の検査をする。」を、制定する。
当然、「マークはPSE別のものにする。」って言うのなら、
まだ混乱は少なくなると思うのですけどね。

生産者にしてみりゃの『販売者の要求につきあうには限度がある。』でしょうし
(其のために、取説/保証期間を製品に添付してるんだし、修理者にはサービスマニュアル出してるんだし)
販売者にしてみれば『自分が関わってない部分(製造)の責任を、
なんで自分がとらなきゃならないの?』でしょうし

どうころんでも
「PSEマーク無しは販売できない」
というの部分を
『検査済みを証明するマークを記した物は販売可』
に改正する必要は出てくると思う。

投稿: 奈保 | 2006年3月26日 (日) 14時06分

失敗して、途中でおくってしまったので
誤字脱字いっぱいになってしまいましたすいません。

投稿: 奈保 | 2006年3月26日 (日) 14時09分

結局のところ、販売店を製造業者とみなして無理矢理枠組みにはめてしまう、という部分が変わっていませんからね。

法運用のための解釈としては拡大の度合いが大きすぎ、あるべき形に是正される必要があるでしょう。

与党は表だった動きを見せませんが、改正案が否決されることは無いのではないかと思っています。

・・・・・楽天的すぎるでしょうか・・・(^^;

投稿: がっでむ | 2006年3月28日 (火) 22時38分

話しが、違うと思われるかもしれないのですが、

官僚の裁量権の拡大ということでは、日本は以前に大きな問題を起こしています。

それは、満州事変、日華事変から太平洋戦争までのことです。
軍事官僚が勝手に戦争を始めてしまい、政治家がそれを次々追認していくという形でした。
司馬遼太郎氏が晩年にその問題(統帥権)について書かれていました。

今回の問題も、これの小型版という気がしているんです。
この他にも、政治家が官僚を抑えられないという例が多くなってきています。

ということで、この問題は日本の政治機構が遺伝的に持っている問題の表れなのでないかと考えてます。

投稿: AckyLacky | 2006年3月30日 (木) 14時13分

軍事官僚というか、軍そのものですね。
詳しく調べていくと当時の日本軍のさらに派閥が関わってきたはずです。
単に石原莞爾と板垣征四朗二人が(悪魔のように)天才的だったというだけではなく。
眠い頭で書くにはヘビーです(^^;

しかし、極論をすれば満州事変が無ければ日本と中国はロシアの植民地になっていたでしょう。
政権が移ったとき、前の支配者層を皆殺しにしよう、などといった発想を持たない民族は世界に日本だけです。その日本が無くなっていたらと思うと非常にぞっとします。

そしてそれた話をさらにそらしたわけですが、ごめんなさい(汗

投稿: がっでむ | 2006年3月31日 (金) 01時13分

>極論をすれば満州事変が無ければ日本と中国はロシアの植民地になっていた

起きて見返してみればとんでもねえ事を書いている罠
これだと日清/日露戦争時の情勢になってしまいますね(^^;

満州事変は石原の暴走という見方が強いです。
満州国が国際的にも認められなかったことで日本は孤立の道に入り、メンツのためにどんどんえらいことになっていきました。

しかし、日本の侵略がなかったら、つまり欧米の植民地になっていた地域を一度アジアの手に戻すというプロセスが無かったら、今の世界はもっと異なったものになっていたでしょう。(そもそもの意図はともかくとして。)

間違いなく犠牲は痛ましいもので、戦争なんてないほうがいいんです。
ですが、それがもたらした結果はどのようなものなのか、という部分は冷静に、善し悪しの両面を見極める必要があるでしょう。
そうすることが、無益な戦争を行わないための下地にもなっていくのです。

今はあまりにものを考えずにいる。日本の平和が何によって立つことでもたらされ、僕たちがそれを享受できているのか、この部分が抜け落ちた反戦/平和主義は、世界の現実から見れば「妄言」でしかありません。

本当の平和主義のためには、マイナスだけでなくプラスの面も確認し、自国他国の犠牲者に偽りのない哀悼の意をささげ、国としてできること、一国の国民として出来ることをしっかり考えて生きていくことが必要です。

こんなことを言ってるので僕は「右翼」あつかいされたりもするんですが、日本の社会自体が実は非常に左傾している、言い換えれば社会主義国家に近しいものだ、ということを考えない方は多いです。

強引に話を戻すと(笑)
今の電気用品安全法は国外にも(輸出される廃棄物によって)害悪をもたらしかねない、という意味で、歴史に残る悪法になってしまうかも知れません。

投稿: がっでむ | 2006年3月31日 (金) 10時43分

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