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2007年1月15日 (月)

Protean Drums

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「Protean Drums」は、グルーヴマシン「E-MU PX-7」の内蔵サウンドROMが、Proteus2000シリーズ用の拡張サウンドROMとして別売りされていたものです。
また、オーディションリフやアルペジエータ、SuoerBeatsMode(MIDIフレーズベースのコンストラクションキットみたいなもの) が省略されたサウンドライブラリとして、EmulatorX/ProteusXシリーズ用の「Protean Drums X」というものもあります。

32MBという、今となってはかなり小さく感じられる容量でまとめられた(しかし、サンプラーのメモリが最大32MBという時代もあった)アコースティックドラムキット中心のサウンドを収録しており、最大で8段階のベロシティスプリットが組まれ、スネアやキックといった個々のパーツが丁寧に録音/エディットされています。
これらのパーツはあらかじめ数種類のドラムキットとして組み上げられており、Proteus2000シリーズ共通のアーキテクチャによってプリセットが作られています。

ROM版にもXにも共通する弱点として、特にスネアとオープンハイハットでベロシティスプリットの変わり目が極端に感じられる部分があります。

前者は音色変化自体は良好なものの、レイヤーごとの音量がやや一本調子です。このためシーケンスを組んでいると「この音をもっと小さくしたいが、ベロシティを下げると別レイヤーになってまた極端に変わってしまう」となり、行き詰まることがあります。

後者は最強ベロシティのレイヤーで音色と音量が極端に変化してしまうため、やや使いづらくなっています。演奏方法そのもの完全開放と言えるもので、他のレイヤーとはやや異なります。このため、オープンハイハットの最強ベロシティは使いどころが難しいです。

前者を効果的に抑えて使い易くするには、MIDI I(Dymnamic1)を捻ってベロシティ>アンプボリュームのアマウントを増やしてあげるのが手っ取り早いです。これによって、少なくとも強レ イヤーのスネアは同じレイヤー内でベロシティが変わったときに音量も変化するようになり、使いやすくなります。

また、Protean Drumsはほとんどのプリセットがモノラルになっている(Proteus2000シリーズは基本的にそう)ため、パンを振ってあげるには複数のチャンネルを使用する事になります。
これについてはXの方が柔軟で、波形ごとに直接パンを指定することができます。ただし作業の手数は多くなるので、良く使うキットに限ってエディットしておいた方が良いでしょう。
もともとパンニングされているプリセットも収録されていますが、位相がずれたような若干の違和感があります。

有名なバグとして、Protean Drumsを1uモジュールに搭載すると、プレビュー機能に不具合が生じるというものがあります。
これは開発時にPX-7の筐体以外での動作確認が行われなかったことによるもので、症状としては「デモソングとSuperBeatsModeプリセットのプレビューにおいてキックしか聞こえない」というものです。
また、SuperBeatsModeをMIDI経由で演奏することは可能ですが、単体でのプレビューによる演奏が出来ないために、MIDI OUTさせてシーケンサーに記録することが難しくなっています。
方法としてはシーケンサでパターンのトリガーキーを入力して発音させ、そのMIDI出力をレコーディングすることになりますが、このとき、トリガー用のキーも記録されてしまうことになります。
記録後に、トリガー用キーを削除する必要があるでしょう。
(そうしないと二重発音になります。)

Xにはフレーズプレビュー(オーディションリフ)やSuperBeatsModeが無いため、ループ音源としての魅力は完全にカットされていま す。(Proteus2000シリーズはオーディションリフやアルペジエーター、BeatsModeの演奏を全てMIDI出力することが可能で、膨大なパ ターン/ループのライブラリを搭載しています。)

ProteanDrumsのサウンドは小さな容量ながらツボを押さえた録音とエディットが施されており、例えばスネア一発の音が持っている「深み」が、他のマルチ音源とは比較になりません。モノラルでドライな単音に奥行きがあるサウンドはなかなか素晴らしいものです。
サウンドキャラクター的には最近の大容量アコースティックドラムのライブラリに近いものがあり、ProteanDrums自体の音も非常に良いものですが、大容量ライブラリに差し替えることを前提にした作曲ツールとしても十分に有用だと思います。

※特にXは、数GB〜数十GBのドラムライブラリさえ珍しくない現在、ソフトウェアサンプラーのライブラリとしては異例なほど小さな容量であるために敬遠されるかもしれませんが、十分に音は良いと思います。
ただ、どっちかというとROMをProteus2000で鳴らした時の方がより好みですし、Xはパターン/ループが一切無いのは若干残念な部分です。
オーディションリフやBeatsModeのMIDIシーケンスをダウンロードできるようになれば良いんですけどね。MP-7やProtesu2500のプリセットソングシーケンスはダウンロード出来るようになってますし、そのうちやってくれないものでしょうか。

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