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2011年9月26日 (月)

Kurzweil K2661のレビュー

Kurzweil K2661を買ってそろそろ一ヶ月経つので、ちゃんとしたレビューなどを・・・・長いですよ?

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○音について
・2600シリーズではオプションだったオーケストラROM、コンテンポラリROM,GMが付いてるので音色数はそこそこ多いですが、波形はそれほど多くないです。

・Kurzweilらしい、高級感あふれるサウンド。いたずらにぶっといわけではなく、芯が通った存在感のある音で下から上まであくまでナチュラルな響きはKurzweilならではのもの。

○シンセサイズについて
・Kurzweil独自のV.A.S.T.はやっぱり難解ですが、K2000の頃からほとんど変わっていないのである意味扱いやすいかも。

・V.A.S.T.とは何ぞや?ざっくり説明すると、普通のシンセは「オシレータ→フィルター→アンプ」という基本構造が決まっていますが、V.A.S.T.ではこの基本構造を弄れます。
さらに、PCMシンセのくせにDSPのオシレータを別に積んでいたりして、このため「オシレータ(PCM)→オシレータ(DSP)→ディストーション→ハイパスフィルター」みたいに、独自の回路をデザインするところから音作りを始められます。なお、直列でなく並列の回路を作ることも可能。

・普通のシンセとして使うならアルゴリズムは1番を選んで、DSPブロックに4ポールローパスフィルターを入れてあげると、本当に普通のシンセと同じような構成になります。ただし、フィルターに「セパレーション」という三つ目のパラメータがあり、これが何なのかいまいちわかりません(><

・V.A.S.T.によってきわめて柔軟な音作りが出来る一方、ひたすら難しいところもあり。ただ、操作方法は理論的でどの画面でも同じような操作方法が使えるよう統一性があるため、慣れると他のシンセより扱いやすいと思います。(個人的にはE-MUが一番使いやすいですが。)

・DSP機能はたくさんの種類があり、フィルター系のものやオシレータ系のもののほか、EQ、倍音を加える合成機能(ディストーションやシェイパー、ラップ、リングモジュレータ等)、並列に分けた信号をミックスするものなど多岐にわたり、単なるPCMシンセの域を超越しています。

・DSPのオシレータは文字通りPCM波形を使わずに鳴りますがエイリアスノイズも激しく、そこらのバーチャルアナログシンセに太刀打ちできるほどの品質ではありません。また、DSP機能のリソースの制限か、DSPオシレータの後に4ポールのフィルターを持ってくることが出来ません。
そのせいか、PC3シリーズのDynamic V.A.S.T.ではこの機能はなくなってしまいました。

・レイヤー数は3が基本ですが、「Drum Program」では32レイヤーまでいけます。別にドラムしか使えないわけではなく普通の楽器音もいけます。
また、2ch等でも勘違いしている人がたまにいるのですが、1レイヤーの中に複数のキーマップ(E-MUで言うinstrumentとかローランドで言うトーンと同じ)をもつ事もできますのでベロシティスイッチの段階数も3というわけではありません。むしろめっちゃ多いです。

○演奏に際して
・どのモードでもsongと連携しており、リズムのスタート・ストップや録音がすぐに行えます。内蔵シーケンサはまあまあ使いやすいかと。とりあえず録るのは非常に簡単でした。

・ただ、シーケンサをループさせるのがうまく出来ませんでした。
具体的には、ドラムだけニ小節作って、これを練習用メトロノームとしてループさせる、というのがやりたいのに、一回だけできて、それ以降うまくいかず。やり方がわからない・・・やっぱり日本語のマニュアルがほしくなります。

・プリセットされているリズムに、普通のビートが全然ない(笑)

○マルチティンバー音源として
・チャンネルごとに音色を割り当てる作業そのものは簡単ですが、割り当てた各音色を一括して記憶する機能がありません。このため、シーケンサ側に音色情報をしっかり保存する必要があります。ただ、音色の指定は非常にわかりやすい(例えば144番の音色なら、バンクセレクト0で1を指定しプログラムチェンジで44を指定する)ですし、エクスクルーシブで一括ダンプする手もあるのでおk。

・アウトプットがアナログ×4(あと、MIX出力)、デジタル×8と豊富なのでパラって外部ミキサーに立ち上げるのも余裕。うちの場合なら、1820mのデジタル入力とADATで繋いでしまえばいいかな? また、アナログのMIXアウトでまとめて出してしまっても高品質な音。

○エフェクターについて
・KDFXというKurzweil独自のエフェクターがついており、これが非常にクセモノ。こいつのせいで、3倍はとっつきづらくなってる気がします。

・KDFXの概要は、4つのバスとAUXバスを持ったバーチャルミキサーみたいなものです。各バスのインプットには2バンドのパラメトリックEQまで付いています(MIDIコントロールも可能)。バスごとに割り当てたエフェクター等の設定をまとめて、「studio」という単位で保存します。
・各音色は音色設定の一環として、どのstudioを使用するかを設定します。
・当然ながらマルチティンバーの時は16ch全体でどれか1つのKDFX設定を使用することになります。これが面倒。

・プリセット音色をざっと見る限り、4つのバスをどういう風に使うかはあまり統一性がなく・・・メロディ音色を優先してKDFX設定を選んだらドラムにフランジャーがかかっちゃった、みたいなことが起こります。
・各chごとにAUXへの送りを設定するような機能も見つけられず。使いづらい・・・・・。


○全体的なとこ
・買ってよかった。処分品とはいえ、20万円弱というお値段は、このシンセにとっては安すぎた。
・でもエフェクターがめんどくさい。パラで録るときはいっそ全バイパスにしてしまおうか。
・上で触れてないけど、KB3モードが面白い。K2661をハモンドオルガンもどきにしてしまう機能です。
・意外と重い(14.5kg)

とりあえずあれだ、こいつは一生もんだ。

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「音楽」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。先日書き込んだつもりが、うまくいきませんでした(汗)。

E-MU のproteus、Vintageなどまだまだ現役で使っております

最近、Macのlogicにある、exs24で稼働する音源ソフトを使うようになり、Mac Book Proで稼働させています。自宅でもスタジオでも、なのですが、USB接続でリアルタイム演奏用で現時点でおすすめのMIDIコントローラーは、どのあたりなのでしょうか? 音源によっては、61鍵のものと、88鍵(ピアノ)があり、61鍵盤以上の、コントローラーを探しております。それと、スライダーが9本あるのが良いようです。
オルガン音源設定が、スライダーと連動するようなので。歳のことも考えると(苦笑)、あまり重量のあるのは控えたく、かといって、あまりヘナチョコな鍵盤もモチベーションが下がるかなぁ?と思ったりもします。おすすめのコントローラーがあれば、教えて下さいませ。

投稿: mukioo | 2012年5月28日 (月) 11時47分

>mukiooさん
コメントありがとうございます、お久しぶりです。
僕自身がクソ古いKurzweilの「MIDI BOARD」というコントローラを使っており、新製品もあまりチェックしていないので的確なことを言える自身がありませんが、最近のトレンドはどうもシンプルなモデルのようです。

スライダーが9本あるものはかなり少ないと思いますが、そんな中ではCMEのUFシリーズが良さそうです。
以前のモデルを店頭で触ったことがありますが、国内メーカーの安価なコントローラに比べると鍵盤の質がかなり良いように感じました。
(その代わり、安価なコントローラに比べると結構なお値段です。)

88鍵のものはやはり重いですが、CMEは76鍵盤モデルをラインナップしているのも、国内メーカーのものに比べて優位な点ですね。

ソフトウェアへの割り当て方法についてはぜんぜんわかりません。(すみません)
代理店さんに聞いてみるのもよいと思います。

http://www.kohske.com/cme-pro/uf_classic.html

投稿: がっでむ | 2012年5月28日 (月) 16時34分

がっでむさん、有り難うございます。
CME UF76 ですかぁ。そうですねぇ、これぐらいしかないですよねぇ、76鍵って。誰も知り合いで使っている人がいないのと、made in chinaというのがややどうかな?と思ったりもしましたけれど、今や部品もこみでmade in chinaがない製品を探すこと自体、困難ですから、変な偏見は止した方がいいのかもしれませんね。使ってみようかな。

投稿: mukioo | 2012年5月29日 (火) 14時27分

追伸
ところで、M AUDIO の MIDIコントローラーっていかがですか? お使いになったことありますか?

投稿: mukioo | 2012年5月29日 (火) 22時59分

>mukiooさん
返信遅れました。
M-Audio系は実はまったく触ったことがないんです。すみません。
機能的には十分ぽいですが、鍵盤の評判は聞いたことがないですね。

投稿: がっでむ | 2012年6月 1日 (金) 10時42分

お久しぶりです。夏風邪でやられてしまい、まだ回復しておりません。
さて、前も聞いたかもしれない質問におつきあい下さい。(すみません)

MIDI コントローラーで、PC音源の、リアルタイム音量調節を、いわゆるエクスプレッションペダルで行う場合、コントローラーパネルのジャックに、ステレオケーブル(ヘッドフォンなどと同じタイプ)でペダルと接続すると思うのですが、
実際にペダルで音量調節するためには、何か操作が必要なのでしょうか?
(コントローラー側で)


よく、CC#7か、CC#11で調節可能です、と書いてあるのですが、CCの画面を実際に呼び出して調節する必要があるという意味なのでしょうか?
(この部分がよくわかりません)

それと、コントローラーによって、ペダルの相性ってありますでしょうか?たとえば変化値が変わるとか。

PCでのみ作動する音源なので、ペダルを使わないことには、リアルタイム音量調節ができずに困っております。

投稿: mukioo | 2012年8月23日 (木) 10時06分

>mukiooさん
こんにちは、コメントありがとうございます。

まず、ペダル自体に何らかの設定機能がついていることはほぼありません。
ペダルが刺さる側であるMIDIコントローラー(キーボードやシンセ等)で設定が可能です。
ここまでは良いでしょうか。

コントローラー側でたとえば「ペダル1」という端子にエクスプレッションペダルを接続された場合、コントローラー側の設定機能の中に、「ペダル1」で何番のCCを送信するか、という設定をするための画面があるはずです。それを探し、番号を変更し、効果を確かめてみてください。
ただ、デフォルトで7ないしは11が割り当てられていることが多いと思います。

もうひとつは、CC関係なしに、オーディオケーブルの中にボリュームペダルを挟んで音量を直接変えてしまうのもひとつの手だと思います。
ライブ用途ではむしろこちらのほうが多いでしょう。


最後に、ペダルによる相性はあります。
製品ごとに電気抵抗の値が違うために、おっしゃるとおり変化の度合いが異なる事は多いようです。この異なり具合は、確かめてみるしかないですね。体感的に違和感が無ければよいと思いますし、最近のソフト音源ならカーブを音源側で調整できることもあります。

ただし、ちょっと昔のシンセ等ならともかく、コントローラー目的で製造されているようなキーボードならペダルが対応しないということはあまりないはずです。

夏風邪、お大事になさってください。
ではまた。

投稿: がっでむ | 2012年8月23日 (木) 12時52分

がっでむさん

お会いしたことがないのに、いつも質問ばかりですみません。こんな親切で丁寧な方がいらっしゃるというその事実だけで、小生は本当に感涙ものでございます。

まことにわかりやすい説明で感謝です。

たぶんこれでトライしてみます。
確かにライブでは、後者の方がいいのかもしれませんが
折角プロケーブルに頼んでつくってもらったのが、
片方がステレオになって(2股になっている)いるので、これだとペダルにつなげないなぁ、と思っています。

とりあえず、前者の方法をトライしてみます。

本当にありがとうございます。

投稿: mukioo | 2012年8月23日 (木) 13時41分

お久しぶりでございます。

関西もめっきり真冬になりました。がっでむさんはいかがお過ごしですか?

さて、またまた質問です(笑)。


最近、色々ごちゃごちゃやっておりますが、なかなか方向性が定まらないところです。

Cubase 7を購入すべきかどうかで悩んでいます。基本的に、スコアの印刷が可能であれば、それもありかな、というところでしょうか。

もうひとつは、アナログシミュレーションのシンセです。
TAEで有名な、ARTURIAですが、その音はいかがでしょうか?たぶん悪いはずはないと思うのですが。実際に聞かれたことはありますか?
おそらく音源がそれぞれ色々なシリーズが出ていて、どれを買うべきか悩みますが、moog, ARP2600, Oberheim 系に興味があります。
コントローラーをARTURIAで揃えれば、さらに使い勝手はいいのでしょうが、どこまで投資するか、ですね。

ARTURIAの使い勝手などがわかるサイトがあればいいのですが。こないだ近くの楽器店で一部おいてあったので聞いてみましたが、店員さんが全然いけてなくて、ダメでした(笑)。

投稿: mukioo | 2012年12月10日 (月) 13時25分

>mukiooさん
こんにちは、コメントありがとうございます。東京もかなり寒くなってきました。今年も雪は少ないと思いますが、北海道出身の僕でも寒さがこたえます。

Cubaseは操作を身に着けるまでハードルがやや高い気がしていますが、DAWの選択肢としては妥当です。ユーザー数も多く情報も豊富ですし、プラグインの動作状況も最も充実していますしね。
ただ機能が多くて操作方法が難しいのは否めません。じっくり取り組んで身に着けていくことは必要でしょう。
僕はいまだにCubase Studio 4が使いこなせませんが、元々使っていたソフト(Music Studio Independence)との操作方法や作法の違いが大きいことが主な要因です。
逆に、mukiooさんが使い慣れているソフトがあれば、それに似た操作のものが一番とっつきやすいことになると思います。
楽譜印刷はCubaseで十分だと思いますよ。

バーチャルアナログシンセのプラグインですが、Arturiaが期間限定で配布したmini moog Vの無料版を持っています。あまりじっくり使い込んだわけではありませんが、機能には不満はありません。

ただ、お店で実際に触った実物のminimoogとはまったく比べ物になりませんでした。抽象的な言葉であまり好きではありませんが、音の太さとか、音圧といわれるものがまったく違います。
ただこれも、実物の音であっても録音されてしまうとかなり変化します。このあたりはオーディオの世界でいう「原音との違い」なのでしょうね。

実物の音とプラグインを同じ環境で録音したら、あるいは録音後で区別するのは難しいかもしれません。

Arturiaに関しては以前は体験版があったと思うのですが、日本代理店の公式ページから探し出すことが出来ませんでした。
お店で試奏可能でしたら、イケてる店員さんがいるときを狙って試してみてはいかがでしょうか。

投稿: がっでむ | 2012年12月10日 (月) 16時21分

速攻でのお返事ありがとうございます。
お礼が遅れてしまいました。

うーん、そうなんですか。
ARTURIA もし、イケてそうだったら、導入も
考えようかな?なんて思っていたのですが。
先日から知り合いに頼んで、CDを作るべくライン録り
をしています。バンドなので、各パート毎ですので、
なかなか時間がかかります。
Cubaseを使っているので、あとでどのようにでも音は
変えられるみたいで、それはそれで。。。

基本的には、ライブでいかに、アナログに近い音を
ストレスなく出すか、というところにポイントが
あります。僕も年齢的にもあまり重い機材はいっぱい
そのたびに搬入、搬出するのは冗談抜きでキツいです。
しかも、苦労してセッティングしても、他のメンバーには
その手間と時間がかかることを白い目で見られているのも
なんだか納得しかねる。。

そんな感じですかね。
結局今通常の練習(スタジオ)やライブの時のセットは、
korg 01/W +PCMカード(ほぼオルガンに特化)
E-MU のvintage plus
korgのmicrostationに、Mac logicのプラグイン(後付けなど)
が基本セットで、
それに場合によっては、
yamahaのCS-30か、ARPのOdyssey
というラインアップです。
CS-30と、Odysseyは、多くの場合面倒なので、
殆どが上の3つです。
korg 01/Wと、E-MU ははずせないので
(まぁオルガン単独でもっとよければそれでいいのでしょうが)
もう1台が、ピアノと、シンセリード、場合によっては、
strings系の重ね弾き、などに使うことを考えると、
できるだけ納得のいく音で、なおかつ、取り回しが良い、
というか、間違いなく音出しできることが要件となって
きます。なかなか難しいですね。

というか、昔のバンドのKbってもっと大変だったなぁ。

30年ほど前の自分のセットは、
ACE TONEの2段オルガン(クソ重かった)と、
Rolandのストリングスアンサンブル
yamahaのCS-10(借り物)
phender rhodes (借り物)
というのが、基本セットだったような記憶があります。
(今とあんまり変わってない?笑)

投稿: mukioo | 2012年12月12日 (水) 10時00分

>mukiooさん
ソフトウェア音源は楽曲製作が中心だと、打ち込みで作りこめたりやり直しが何度も出来たり、といったプラスが大きいのですが、ライブで弾くのが中心の場合にはまだまだ避ける方も多いようです。

サウンドに関してはあくまで個人の印象で、実際にライブ会場の大音量での演奏なら、差を感じることは無いと思います。

最小構成を考えるなら万能系キーボード+アナログ系シンセなのですが、楽器ごとのこだわりがあると難しいですよね。
自分はライブ活動はしませんが、打ち込みをすればするほど生楽器と演奏への憧れが強くなります。

投稿: がっでむ | 2012年12月26日 (水) 01時37分

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